スーパーに行くといつも思う。
連れだって買い物に来ている年配のご夫婦。
一見、仲睦まじく微笑ましい光景と思いきや、不穏な空気を漂わせていることも多い。
早くしろ、とせかすご主人。
何が食べたいのかはっきり言ってよ、と強い口調でせめる奥さん。
かごやカートを持たされたご主人は、奥さんの後をただうろうろついていくだけ。
店内をのんびりと、しかもど真ん中を歩くから追い越すこともままならない。
食材を見てもいないのに棚の前を陣取り、人が来ても決してよけようとしない。
それに気づいた奥さんが、あなた邪魔よ、と言って謝ってくれる人もいる。
ずらり並ぶレジでは、会計は奥さんにまかせ、自分はレジ向うのサッカー台を早々と陣取る。
会計が終わって空いているサッカー台を探す人たちには目もくれず、奥さんが終わるまで場所取りをする。
奥さんの手助けをしていると思っているかもしれないが、ただの邪魔な人でしかない。
周囲を気遣えない、空気を読めないご主人様はどうか車の運転だけしていてほしい。
奥さんが買い物を終えるまで、車で待機していればいいのに。
あるいは休憩コーナーでコーヒーでも飲んでいればいい。
多くの奥様方は、車での送迎だけを望んでいる人も少なくないだろう。
やはりスーパーはまだまだ女性の領域。
普段、家事や料理に積極的ではない男性にとっては、スーパーは未知の世界だろう。
その領域に踏み込んでくる、スーパーに慣れていない男性たちは、まるで子供のように不器用で扱いに困る。
しかし、そんな姿がたまにちょっとだけ可愛く見えるときもある。