私が子供のころ、母の首回りにできている小さいイボが気になって仕方がなかった。
肌の色と同じ小さなイボが数個あり、その中には血の色のような赤いイボまでもあって気持ち悪いと思っていた。
母に聞くと、年を取れば自然と出てくるのよ、さして気にする様子もなく笑っていた。
そんな傍目にも不快なイボが今、私の首元にもできている。あの時代の母と全く同じだ。
母の言うとおりに年を取ったら見事に出てきてしまった。今のところ2個だけだがこれから増えていくのだろうか。
調べてみると、これはおそらく「軟性線維腫」といい、「アクロコルドン」や「スキンタッグ」ともいうらしく、良性の皮膚腫瘍のようだ。
母が言っていたとおり、加齢が大きな要因で、放置していても問題ないらしい。
気になるのなら病院で除去もできるらしく、ハサミで切ったり、凍結療法などで除去するとのこと。
まだそこまで気になっているわけではないが、増えるようなら除去も考えるだろう。母のような血の色のイボが出てくるようならなおさら取りたい。
昔、母のイボを気持ち悪いと思っていた自分に出現したイボ。確実に母が通り抜けた年代をたどっているようだ。
そして加齢だけではなく、体質もきっと受け継いでいるのだろう。
あの頃、全く思い描くことがなかった老化という現実が日々進行している。
私が母のイボを気持ち悪いと感じたように、我が子にそう思われるのは避けたい。