朝目覚めた瞬間から世界がぐるぐると回っていた。
久々に訪れた感覚。あ、マズイなと思った。ゆっくり立ち上がると案の定ふらつく。
ゆっくりと少しずつ歩き、階段は手すりにしっかりつかまって慎重に下りていく。転げ落ちたらたまらない。
リビングに入り、先に起きていた夫と子どもに「めまいがするから悪いけど適当に食べて行って」と告げてソファに寝転んだ。
今までにも何度かあっためまい。その時の私の状況を知っているので夫も子供も素直に動いてくれて助かった。
40代を過ぎたころから、年に数回襲ってくるこのめまい。
まっすぐ立っているとぐるぐると目が回りとてもじゃないけど立っていられない。
そのまま座りこんでも状況は同じで、結局横になっているしかない。
酷い時は吐き気もする。それでも横になっていれば大丈夫だが、寝返りをうつとまためまいが襲ってきてしばらくは気持ちが悪い。
同じ姿勢でひたすら耐えるしかないのだ。
そう頻繁に起こるわけでもなく、めまいが起きてもだいたい2時間~3時間位横になっていれば落ち着く。
更年期の一種なんだろう、とあきらめている。
もちろん一度病院で診てもらった方がいいに越したことはないが、めまいが起きている時はとてもじゃないが病院になんて行かれない。
ただひたすら横になっていれば治まる、という対処方法でやり過ごしている。
つい先日も、同じ40代のママ友が最近めまいがあるんだと話していた。私と同じだよ、更年期かな、なんて話したばかりで、自分だけではないことに彼女はほっとしていた。
年齢を重ねると今まで経験したことがない、考えたこともないあらゆる症状がどんどんと現れる。
若いころはこんなことが自分の身に起きるなんで思いもよらなかった。
しかし今は、歳だから、更年期だから、と自分に言い聞かせ、仕方がないことだとあきらめている。
それでも夫や子供までもが、それは歳だね、更年期だね、とやたら言うのには腹が立つ。