鏡をみるのが嫌になる40代女性の心境。ずっと真上を向いて生きていたい。

仰向けになって鏡を見たとき、そこには30代、いや20代ともいえる自分の顔があった。

重力に負けてたるんだ皮膚が上を向くことでほどなく後ろにひっぱられる。

たるみのない、張りのある顔。

ホウレイ線も解消し、まぶたのたるみ、目の下のたるみもなくなり、普段よりも目がぱっちりになる。

ああ、これがいい。このままがいい。

鏡とともにゆっくり起き上がると、徐々に年齢を重ねていき、まともに正面で鏡をみるとそこには今の真の姿、疲れた40代の姿が映し出される。

現実はこれなんだなとがっかり。

そのまま徐々に下を向くと、さらに醜い老婆の顔が現れる。

これが数年後の私か…

目を背けたい。

美容整形でたまに耳にすることがある「フェイスリフト」

皮膚をひっぱって顔のたるみやシワ解消し、若いころのフェイスラインを取り戻すこと。

こういうことなんだなと感じた。

たしかに若返る。

まったくもって美容整形なんぞやるつもりはないが、やる人の気持ちがわからなくはない。

上を向くだけでもこんなにも若さが戻るのだから。

どうにもならないことを悔やんでも仕方がないが、仕事の合間に鏡をもってこの行動をくりかえし、ため息をつく。

やらなければいいのに。

できればずっと真上を向いて生きていきたい。