子供が小さいから在宅ワーク。でも現実はそう甘くはなかった

在宅で仕事をはじめてから10年以上になる。

在宅仕事を始めたきっかけは第一子を妊娠して仕事を退職し、家にいて手持ち無沙汰だったからという単純な理由から。

けれども子供が生まれた後もそのまま在宅で仕事ができるのならベストだと思い、まずは仕事を探した。

ネットで在宅仕事を検索したが、そのころは今に比べて在宅ワークの求人は数が少なく、あっても怪しいものばかり。

最初にまず登録料が必要だとか、専用のパソコンが必要だとか、初期費用に数十万もかかるものがあったり、まともな在宅仕事の求人がなかなかみつからない。

そんなこんなでようやく見つけた最初の在宅ワークはデータ入力。

在宅ワークの報酬単価の相場もあってないような時代、今思えばなんて安価な仕事なのだろうと思うが、その時はようやく仕事ができる喜びがあった。

妊娠中は昼夜問わず仕事に没頭した。

つわりなども落ち着き、体調は万全。加えて、時間だけはあったため、大量の仕事をこなした。今考えると妊娠中に無謀だったと思うほど仕事をしていたと思う。

報酬単価は微々たるもの。しかし、多くの作業をこなした分、その時はそれなりに満足のいく報酬を得たと実感している。

しかし、出産後は思うようにいかなかった。

出産後は実家に帰省していたため、2か月ほど仕事は休み、その後再開。

初めての子育てをしながらの仕事は想像以上に大変だった。

子供が寝ている合間に仕事、スキマ時間にちょこっと仕事、なんて軽々しい考えでは決してできない。

新生児の頃は頻繁に起きるため、仕事ができる時間は本当に細切れ。

本音は子供が昼寝をしている時間はできれば自分も一緒に寝たい。ちょっとお茶でも飲んで息抜きしたい。

けれども納期は待ってくれず、その少しの時間でも仕事をしないと終わらない。

夜も遅くまで仕事をし、時にはほぼ徹夜状態のことも。

しかし、子供が歩きはじめるようになると大変さは倍増した。

パソコンを見るとキーボードをたたく、マウスを投げる。

仕方なく子供の手が届かないタンスの上などにパソコンを置いて立って仕事をする。

それでも垂れさがるコードを引っ張り、パソコンが危うく落ちてしまいそうになったこともあった。

子供が昼寝をしている間は溜まっている家事に時間費やす。

日中に仕事をすることがほぼ不可能になり、夜にシフトするしかない。

子育てのイライラと仕事が進まないイライラ。そして寝不足。

保育園に預け、外に仕事に出たほうがどんなに楽だろう。

今思えば、よく続けていたと思う。

現在は手がかからなくなった子供の横で仕事ができる。

あの辛さを超えたからこそ今がある。

在宅で仕事に没頭できる今のこの環境が本当にありがたい。