「今年はサンタに何をお願いするの?」
クリスマスが近づくとそんな会話が始まる。
まだサンタの存在を信じて止まない幼少期は一緒にサンタに手紙を書いた。
そのうち子どもは手紙を書くことが面倒になり、同時に私も字が上手く書けないわが子につき合うのが面倒になってきた。
ならば、サンタにメール送っておこうか?とサンタへの新たな伝達方法を提案してみる。
サンタのメール知っているの?と驚きと尊敬の眼差しをむけた我が子。
そんな純粋無垢な子に後ろめたさを感じながらも、その後はその楽な方法がサンタへの伝達手段となった。
最初こそ、メールを送るふりをして、送信前のメールをみせて信用させた。
その後はそれもなくなり、メール送っておくね~と声がけだけになる。
いつしかそれすらもなくなり、欲しいモノを聞いておくだけになった。
なかなか欲しいモノが決断できなかったときは、早くしないと売り切れちゃうから早くして、とつい自分の都合を交えて急かしてしまうこともあった。
そんな時は「だってサンタだから大丈夫でしょ?お母さんが買うわけじゃないんだから」とにやけ顔で返される。
そんなくだらない、でも案外楽しい小芝居を続けてきたが、ついに今年は告白した。
もうわかっていると思うけど、サンタはお母さんだから、と。
想定通りに「そんなのとっくに知ってるよ。」「それに枕元にプレゼントを置くお母さんをみたことあるし」と意外な証言もされた。
見られていたとは気づかなかった。
そして「とっくにわかっていたけど、そんなにはっきり言われると夢が壊れる」とも言われる。
いやいやいやいや。
今年は何が欲しいの?の問いに「お金」と先に夢のないことを言ったのは、きみですけど。