東日本大震災から10年。
あの日が近づくとテレビでは震災に関する様々な特番が放映される。
被災地からだいぶ離れたこの地域も大きく揺れた。被害はさほどなかったが、しばらく生活が大きく変わった。
当時子供が通っていた幼稚園はしばらく休園となったし、夫はバスや電車の時刻が定まらず、通勤がとても困難になった。
車で移動する人が増え、道路はどこも大渋滞となった。
買い物にいけば、スーパーは食材を求める人々であふれかえり、店内にすら入れない状態の時もあり、入れたとしても食材は品薄。パンはしばらく見ることすらなかった。
地震と津波で発電所などの電力設備が被害を受けたことにより、計画停電もあった。
もちろんこの大震災を忘れてはならない。この先も風化させてはならない。
この大震災を教訓に、次いつくるかもわからない震災に備えなければならないし、被害地域の復興を願わなければならない。
しかし、その当時の映像をみるのはやはり勇気がいるのだ。
映像を見た後の余韻。恐怖と哀しみ、苦しみ。胸が張り裂けそうになる。
津波の光景だけではなく、大切な家族や友人を亡くした方々の声を聴くとたまらなくなる。
だから見たくない。できれば目を背けたい。
大した被害を受けていない私でさえこういう気持ちになるのに、被害を受けた方々を思うとまた、胸が痛む。
10年という時がたち、今になって新たに公開された映像などを目にすることもある。
まだまだ知らない被害、今だ語られない哀しみがもっともっとあるのだと思うとまた心が痛くなる。
10年経ってもまだ終わっていないのだと実感させられる。