セールスマンの策略

夕方、インタフォーンが鳴り、テレビドアフォンのモニターを確認するとそこには人物が映っていない。

白っぽい洋服の腕がかろうじて見えている。変な位置に立っているなとは思った。

来客があったとき、モニターをみて明らかにセールスマン風の人であれば私は居留守を使う。

しかしこれでは判断がつかない。

仕方なく、インターフォン越しに「はい」と答えてみた。

「○○会社といいます。近々、○○さん宅の外壁工事を行いますのでご挨拶に伺いました。」という丁寧なあいさつ。

つき合いはないが、聞いたことがある近隣の方の名前が出たため、何も疑わずに玄関を開けた。

こういったことは今までもある。

近隣の方の家のリフォームや外壁工事などのお知らせで、業者が時には家の方と一緒に挨拶に来ることは何度かあった。

今回もそうだろうと思った。

玄関を出ると、作業着の30代位の男性。

「夕方のお忙しい時間にすみません。○○さんのお宅の工事が近々始まるため、ご挨拶に伺いました」とのこと。

名前は聞いたことがあるが、どこの家だったか思い出せずに尋ねると、我が家からは少し遠い。

「少し離れていますが、大型トラックが出入りするため、お子さんがいれば危ないので、念のためお知らせに伺いました」とのこと。

たしかに通学路としてそこのお宅の前は毎日通る。

こんなところまでわざわざ挨拶にくるなんて親切だなと思った。

何かありましたら遠慮なく連絡ください、と名刺を渡された。それで終わると思っていた。

しかし、そこからだった。

ついでなんですが、、外壁工事はお考えではないですか?と営業トークが始まった。

そのお宅はすごく安い値段で…等々、こちらが話す隙間を与えないようにするためなのか、矢継ぎ早に話が続く。

やられた、と思った。本当の目的はそれかと理解した。

よくよく考えてみれば、今までの経験上、工事の挨拶であれば、具体的な工事日程や場所が記載された手紙とタオルなどを持ってくることがほとんど。

今回はそのようなものは一切ない。何か貰えるのを期待しているわけではないが、これは挨拶目的ではなく、営業目的だったのか、と察した。

モニターに姿が映っていなかったのも偶然ではなく、わざとだったのもかもしれない。セールスマンだと思われないように。

まず、居留守を使われるのを回避し、工事の挨拶と装って玄関先まで家主を呼び出し、直接話をすることが本来の目的なのだろう。

ずるいなと思った。

近頃は、私のように、インターフォン越しに冷たく断られて、会うこともできず、話も聞いてくれずに営業にならないのだろうとは思う。

何とかして話そうと思った営業マンの策略なのかもしれない。しかしこちらとしては騙された感が否めない。

ご近所の工事の話もはたして本当なのだろうかと疑ってしまう。

我が家は今のところ外壁工事の予定はないため、知り合いに関係者がいるのでそちらに頼む予定だから、と嘘をついてはっきり断った。

しかし、考えてみれば営業でよかった。これが犯罪だったとしたら・・・。

玄関を開けさせて、押し入られたら、と考えると怖ろしい。

宅配を装って強盗に入られたなんて事件も実際ある。

気を付けなければならない。安易に玄関を開けてはならないなと思った。

これからますます居留守を使うようになるに違いない。

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