少し奮発して買ったお気に入りのカーディガン。
知人とかぶってしまった。
全く同じのものではないけれど特徴的な色が同じ。
白や黒などの定番色ではないだけに、第一印象は同じものに見える。
あぁ、もう着れないなと思った。
別に嫌いな人とか苦手な人とかでは全くない。むしろ、信頼のおける素敵な友人。
そして、頻繁に会う機会がある。
最初に目にしてから、もう何度も彼女はそのカーディガンを着ている。
私は完全に着るタイミングを逃してしまった。
私も同じようなもの持ってるよー、と話す機会も逃してしまった。
マネされたと思われるのもちょっと不本意だし。
彼女とは絶対会うことのない日に着ることにしよう。
このカーディガンとは別の話で、ほかにも全く同じ洋服を着ている人を近所でみかけたことがある。
冬、やはり色合いが特徴的なダウンコートを着ている人をみかけた。通信販売の品。
これは私が持っているものと全く同じものだと断言できる。
なぜなら少し高額であることから購入するにあたっては、通販雑誌と共にその通販のショッピングサイトを閲覧してかなり吟味した。
ダウンコートには珍しい鮮やかな色合いとスリムな着用シルエット。同系色のファーがあしらわれた大きめなフードも私が持っているものと全く同じものだった。
その人のことは知らないけれど、割と近所に住んでいるのだろう。そのコートを着て犬の散歩をしている姿や自転車で通り過ぎる姿を何度か見かけた。
年齢が私よりかなり上に見受けられるだけに、ちょっと複雑な気持ち。
まあ、年齢層が40代向けの洋服の通販だから、その人が着ていてもおかしいことではないのだけれども。
知らない人だけど、道で同じものを着てすれ違ったらやっぱり気まずい。別に悪いことではないけれど、やっぱりお互いバツが悪いし。
カーディガンもダウンコートもせっかくお気に入りのものを見つけただけに悔やまれる。
リーズナブルな値段で展開している量販店の洋服がかぶることはよくあるけれど、そうではないものだけに悔しい。こんな偶然があるんだなとも思う。
40代になると着たい洋服と実際に自分に似合うものが違ってくる。若さで何でも着こなせた(と思っている)時とは違う。
だから、自分に似合うもの、着心地がいいものを探し出すのはなかなか至難の業。
せっかくのお気に入りがタンスの肥やしになってしまうのはもったいない。
だから、タイミングを見計らってなんとしてでも着るしかないのだ。
くだらない悩みかもしれないけど、案外切実な問題。