また懇談会の季節がやってきた。
最近は積極的にさぼり気味だった私もこの新年度の懇談会だけはいやいやながらも出席するようにしている。
新しい担任の先生や新クラスの顔ぶれにも興味があるし、役員決めや大事な書類の配布などもある。
そしてこのコロナ禍でのこれからの行事の有無や方針なども気になるところ。
いつもならクラスごとに行われる懇談会も体育館での全体懇談会になったことも気持ちが楽だった。一人ずつの自己紹介などはないだろうと想定したからだ。
広い体育館に次々と集まる母親たち。やはり新年度の参加率は高い。
ふと気が付いたのは、母親たちがなんだかきらびやかなこと。
ヘアスタイルも妙に決まり、みな華やかな服装にみえる。
春だからだろうか。
もちろん、私もこの懇談会に向けて美容院にもいってきたし、いつものだらんとした部屋着とはちがう服装。
気張りすぎず、でもいつもよりもちょっと見栄えのよいスタイルを選んだつもりだ。
みんな同じように考えてそれなりの装いだとは思うが、それでもなんだかいつもと様子がちがう。
いつも黒髪だったママが茶髪になっていたり、こういった場にはあまりふさわしいとは思えない大きくキラキラ輝くピアスが目立っていたり、ブランドバックを下げていたり、あのママも、こっちのママも‥。
これがいつもの光景だっただろうか。ママたちはこんなに気合を入れてきていただろうか。
いつものクラス単位での懇談会ではたまたまそういうママがいなかっただけなのだろうか。
なんだかそんな周囲のことばかりが気になって先生の話が耳に入らなかった。
いつも以上にきらびやかにみえるママ集団にちょっと怖いと感じてしまった。