先日、近所のママに「よく車で出かけてるよね。」と言われた。
近所といっても互いの家は離れていて見える距離にはない。
彼女の家が大通りに面していて、車で通る時は必然的にその家の前を通るため、その時に見られているのだろうか。
たしかに買い物や子供の習い事の送迎などで車で出かけることは多い。
私は車の運転が好きなので、普段の買い物でもわざわざ気晴らしに遠くのスーパーまで出向くこともあるし、近所でも時間短縮を理由に車で買い物に行くことも多い。
しかし、子供の習い事の送迎以外は決まった時間に出るわけではなく、買い物などは不定期であり不規則な時間。
それなのに、「よく出かけてるよね。」とは、いったいいつ見ているのだろう。
そんなにもずっと外を眺めているのだろうか。
その近所のママ、子どもの学校は同じとはいえ、子ども同士の学年は違う。プライベートで仲が言い訳ではなく、そう深い話もしたことはない。
ただ、近所であるがゆえ、子供の登下校にかかわることや地域の行事等では必然的に一緒になる。
彼女が仕事をしているかどうかなど聞いたことがないが、それだけ私を見かけるということはおそらく働いてはいないのではないだろうか。
家にずっといるから近所の人の行動が気になってしまうのだろうか。
彼女の発言に一瞬気味が悪いと感じたが、よくよく考えてみれば私と同じだと気づいた。
私も意識しているわけではないが、家に長くいると自然と近所の人の行動パターンが見えてくる。
いつも道路に面したリビングで仕事をしているため、外の声や車のエンジン音、玄関を出る音までもが自然と耳に入ってくる。
真向いの家の奥様の出勤時間やそのご主人の出勤時間が日によって異なることも知っている。
そして隣家の奥さんは何曜日が仕事が休みなのか、そして休みの日は庭の花の手入れを念入りにしていることも知っている。
子供と同級生の近所のママがパートから自転車で帰宅する時間や、犬を数匹飼っている近隣の若いママが我が家の前を散歩で通る時間帯などもいつの間にか把握するようになっていた。
まるで私は探偵のようだ。決して知ろうとしているわけではないが、自然と知りえてしまった情報。
近隣の方々がそんな個人情報を私に知られていると気づいたのなら、私も相当気味悪がられることだろう。