家のことだけではなく、子供に対してのしつけや身だしなみにも無頓着だった母。
朝起きたら顔を洗う。
トイレの後は手を洗う。
帰宅したら手洗いうがいをする。
など、基本的なマナーなどを細かく言われた覚えはない。
当然、習慣になっていなかった私。
だから、顔は洗わない、トイレの後も手を洗わない、もちろん帰宅後の手洗いうがいもするはずもない。
小学校の時は、顔を洗わないために目ヤニや口の周りによだれの跡がついたままのこともあった。
ひどい寝ぐせを友達に指摘されて恥ずかしい思いをしたことも何度もある。
また、ハンカチ、ティッシュを持っていく、などということも母に言われたことが無い。
同級生が手を洗った後にポケットからきれいなハンカチを出す姿を羨ましく思い、家にあったあまり子供向けではないハンカチを持って行った記憶がある。
もう周囲はオシャレを気にする高学年の頃。
私はお風呂に入ることが面倒でしばらく入らなかったのに母は何も咎めない。
母に何も言われないため、ただ単純に入らなくてもいいんだと思った。
あの時は何日入らなかったのだろう。
頭皮はべたべたでフケが目立っていたようで、クラスの女の子数人に笑いながら指摘されたことを強烈に覚えている。
その日の夜は、何度も念入りに頭を洗った。
なぜ母はお風呂に入れと言ってくれなかったんだろう。
きちんと注意してくれなかったのだろう。
顔を洗うこと、トレイの後には手を洗うこと、寝ぐせを直すこと、ハンカチ、ティッシュを持っていくこと、そしてお風呂にちゃんと入ることなど、女の子としての大切なことをなぜもっと気を付けてくれなかったんだろうと母を恨む。
友達に指摘されたり、友達がやっていることを見て自分なりにマナーや身だしなみを気を付けるようになった。
今自分が我が子にしてあげていることは、私が母からやってもらいたかったこと。
私がそうだったように、我が子には人前で恥をかいてほしくない。
実母を反面教師にし、私は母のようになるまいと子育てをしている。