パート。
新しく入ってきた若い新人さんは、この職場にほんの数日であっというまに慣れ親しんでいる。
誰もが彼女に優しく接している。誰もがにこにこ接している。
その若さ、コミュニケーション能力、人間力に感服。
自分にはそれが身についていないことに失望させられた。
私が数か月かかって築いた人間関係、職場環境、そして仕事内容にあっという間に馴染んでしまっている彼女に嫉妬している。
そんな彼女を受け入れたくない、認めたくないという気持ちが沸き上がっている。
それでも、そんなどす黒い気持ちをなんとか表に出さずに接していられているようで、私のことを優しい先輩と周囲に言っていたらしい。
そんなことはない。腹の中はこんなにも真っ黒な気持ちでいっぱいなのに。
どうせ私なんか。
どうせ私なんかもう必要ないよね、こんなおばちゃんいるだけでうっとしいよね。若い彼女がいれば十分だよね…。
そんなネガティブ思考になっているのに。
彼女が来たからといって、私が誰かに無視されているわけでも、いじわるされているわけでもないのに。
自分が情けなくて、ばかばかしくて涙がでてくる。
いつか、この腹黒さが表に出てしまいそうで。
そうなればきっと身の破滅だ。