少し前からパートに行きはじめた。
ずっと外で働きたいと思いながらも、勇気が出ずにいろんな言い訳をして避けてきた。
在宅ワークでは、それなりに安定した収入を得られている。
そういった金銭面では焦りがないものの、50歳を目前にした今、違う焦りが芽生え始めた。
妊娠を機に仕事をやめ、それからは細々と在宅ワークを始め、子供の成長と共に少しずつ仕事を増やし、今は周囲のパートに出ているママ友と同じ位の収入は得ている。
だからいいじゃないか。いまさら外に出なくてもいいじゃないか。
しかも、実家の父親が認知症となり、帰省する頻度が増えた。この先もどうなるかわからない。
パートなんてやっている場合じゃなくなったのだ。
そう思ったのもつかの間、やはり焦りが勝る。
認知症になった父親をみていると、ますますこのままじゃいけないと思うようになったのだ。
人はいつどうなるかわからない。だから後悔しない生き方をしないと…と違う考えが巡り始めた。
もやもやしているのならとりあえずやってみればいい。パートに出てみて無理ならやめればいい、そう考えるようになった。
年齢的にも、体力的にも今が最後のチャンスなのだ。
そんな時、日々チェックしていたネットの求人応募でよさそうな求人をみつけた。
週1日からOKで午前中の4時間のみの清掃の仕事。職場も十分に通勤圏。
これなら出来そう。それでも何日も迷い、悩み続けた。
そしてついにえいっと勢いで応募ボタンを押した。
その後、担当者から電話連絡があり、電話面接の様な感じで40~50分ほど話してそのまま採用だった。
そんな簡単に決まってしまうのとか驚いた。対面の面接や履歴書もいらないという。
これはコロナの時代だからなのか、それとは関係なく今の風潮なのか。
もちろん職種によるとは思うが、あっという間に採用が決まってしまったことに少し不安を覚えたのは事実。
それでもパートに行きはじめてから数週間があっというまに過ぎた。
気持ち的にはだいぶ慣れたつもりだが、久しぶりの体力仕事に体が慣れない。
体が悲鳴をあげている。