買い物に行ったドラックストアで見かけたおじいちゃん。
杖をついてゆっくり少しずつ歩いている。
杖を持っていないもう一方の手には大人用のオムツ。大入りの袋はとても重たそうだった。
おぼつかない足取りで店を出るおじいちゃんの後ろにいた私は、大丈夫かなと思いそっと見守ってしまった。
そのまま歩いて帰ると思ったおじいちゃんは、なんと車の運転席に乗り込んだ。
あれで運転するのか。
杖をついて歩く姿は、足もまともに上がらず、すり足で歩いている状態。
そんなあきらかに筋力が弱まっている状態で安全に運転できるとは思えない。
アクセルやブレーキをしっかり踏み込めるとは思えない。
ましてや高齢者。瞬時の判断や対応もできないだろう。
案の定、その車のボティにはへこみもみえる。やっぱりぶつけているではないか。
それまでは、大変だなと優しく見守っていた私も、とたんに冷淡な気持ちが沸き上がる。
その姿はあの痛ましい池袋の暴走事故を思い起こさせたから。
あの加害者も杖をついて歩いていた。よぼよぼと、見るからに運転は危険だと思わせる状態で運転していた。
あの大人用のオムツは、彼の妻のものなのだろうか。一人で介護しているのかもしれない。
頼れる人もいなくて、仕方がなく自分で買い物に出ているのかもしれない。
それでもやっぱりありえない。あの状態で車の運転をすることがありえない。
高齢者の運転。多発する悲惨な事故。
本当にどうにかならないものだろうか。