お気楽なパートのおばちゃんに徹する

今のパート先に採用されてから今まで、かなりめまぐるしかった。

入ってすぐにパートさんが立て続けに退職し、人手不足になった。

引継ぎもままならない中、不慣れな職場で手探り状態で仕事する日々。

人手がないため、当初の予定よりも多くシフトに入り頑張った。

ようやく職場にも慣れ始めたころ、新しい人が入りほっとしたのもつかの間。

必死に覚えた仕事内容、不慣れながらも築き上げた人間関係。

自分の力で居心地よい空間、楽しいと思える職場環境を得られたと思っていた。

仕事が楽しいと思っていた。

それなのに。

それなのに、私とは違ってあっという間に職場に馴染んでいった新人さん。

そんな若い彼女に嫉妬してもやもやしていたあのころ。

それでもその感情を抑えて新人さんに仕事を教えてきた。一緒に頑張ってきた。

そして今。

週に2、3日の短時間しか入らない私よりも、週4.5日、しかもほぼフルタイムで入る新人さんにあっという間に立場を奪われた。

当然のことだろうとは思っている。

それだけ職場にいれば日々の業務は熟知していくし、私がやったことのない仕事も任せてもらえる。

立場は完全に逆転した。

今は教えるどころか、彼女から教えられる立場になってきている。

当然だと思いながらも、やっぱりプライドが打ち砕かれ、自己肯定感が低下する。

仕事に対するモチベーションが下がりっぱなし。もやもやしっぱなし。

でももういい。気持ちを切り替えないとやっていけない。

私は彼女よりほんの少し早く入っただけの、短時間のパートのおばちゃんなんだ。

与えられた仕事を時間内に終わらせるだけのお気楽なパートのおばちゃんに徹っすればいいんだ。

むしろラッキーじゃないか。面倒くさい仕事をしなくても済むのだから。

この先、何か思うことがあっても、ぐっと呑み込んでしまえばいい。

余計なことを言わなくていい。言わない方がいい。

気負わず、目立たず。頑張りすぎず。

別に私がいなくても仕事は回るのだ。

パート代を稼げればいい。職場は楽しむ場所ではない。お金を稼げればいいんだ。

時給はいいし、申請すれば休みも取りやすい。

いい職場だ。そう自分に言い聞かせる。

吹っ切ろう。

吹っ切りたい。