クリスマスが近づくと思い出すのは、若いころ職場で一緒だった同僚の話。
彼女はずっと実家から職場へ通っていたのだが、程なくして念願の一人暮らしを始めた。
その職場から近く、私は何度か仕事帰りに寄らせてもらっていた。
ある冬の日、彼女のアパートのドアにクリスマスリースが飾られている。
聞くと、先日友人が遊びに来てそのリースを持ってきてくれたそうだ。
その友人の手作りで、てっきりお土産として持ってきてくれたと思ったら、なんとリースの金額を提示されたそうだ。
決して強引に売りつけるというわけではなかったらしいが、そのリースを褒めた手前、断りづらくなってしまい、結局買ってしまったのだとか。
個性も特徴もない、センスがいいとは言えない素人の手作り感満載のリース。その金額を聞いた時は私も驚いた。
その値段ならお店でも十分豪華なリースが買える。
私は彼女に「断ればよかったのに」といったものの、たぶんその状況なら私も断れなかっただろうとは思う。
人の家に遊びに来ておいてモノを売りつけるなんて、ヒドイ友人だなと思う。
よほど自分の作ったものに自信があったのか、それともお金に困っていたのか。
彼女はこの出来事をきっかけに少し距離を置くようにすると言っていた。
今、我が家の玄関に飾ってあるクリスマスリースは実家の母の手作り。
ハンドメイド好きで、センスがないモノばかり送られてきて困惑していることを以前にもこのブログで書いたが、このリースは珍しくセンスのよい傑作品。
これだけは気に入って毎年飾っている。